日本モンキーセンター長期休園前「最後の一日」に密着 ファンの涙とあふれる愛 愛知・犬山市



長期の休園に入った犬山市の日本モンキーセンター。サルたちと心を通わせ続けたファンとの最後の一日を取材しました。

10月18日、70年の歴史に一時幕を下ろした日本モンキーセンター。

霊長類に特化した動物園で、飼育数は約50種類・700頭と世界トップクラスを誇ります。

その長い歴史は、多くの人の心に残り続けています。

休園1週間前の土曜日。サルたちを一目見ようと、園内は大賑わいでした。

孫を連れて久しぶりに訪れたという家族。

母:「まだこの子を連れてきたことなかったので、せっかくなら一度見せたいなと思って来ました」
(Qどれくらいぶりに来た)
祖母:「一緒に来たくらいで子ども(母)の小さいときぶり」
母:「20年ぶりくらい」

園内を歩いて見つけたのは。

母:「あの像まだあるっていうかずっとあるよね」
祖母:「本当だ」

小さなゴリラの像。お母さんが小さいころ、家族で一緒に写真を撮ったそうです。思い出の場所で今度は子どもと記念撮影です。

モンキーセンターで友だちになった“サル友”のふたりも…。

来場者:「ヤクシマザルがいるモンキーバレイで、たき火をやっているイベントがあって」

冬の恒例イベント「たき火にあたるサル」。火で暖を取りながら焼き芋を頬張る姿が話題を呼びました。

来場者:「たき火の洗礼で目が痛くなっていたり、熱々のお芋を池で冷やして食べる」「熱々のままチャレンジしている子とか、個体によって個性がある」

本来、火を怖がるはずのサル。たき火にあたり始めたのにはある大災害が関係していました。

日本モンキーセンター・綿貫宏史朗さん:「1959年に伊勢湾台風があった」

1959年に東海地方を襲った伊勢湾台風。死者・行方不明者は5000人以上と、大きな被害が出ました。

日本モンキーセンター・綿貫宏史朗さん:「廃材とか材木をその年の冬に燃やして暖を職員が取っていたところ、サルも寄ってきて」

職員が暖を取るため、流れ着いた木などを燃やしたのが始まり。それ以来70年近くたった今も、親から子へと「たき火」の文化が受け継がれているんだとか。

そんなヤクシマザルたちが住むエリアは、傾斜は厳しく、さらに土を止めるためのブロックや支柱も少しずつ古くなっていました。

1956年、サルなどの研究・保護を目的として設立。当時は、現在とは違う場所にありました。

その後、現在の場所に建物を移してから60年以上がたちました。

日本モンキーセンター・綿貫宏史朗さん:「長い年月の中で何度も補修を重ねてはいるんですけど」

建物の天井はさび付き塗装ははがれ、コンクリートも崩れ、もうボロボロ。園内の道はガタガタで、車いすやベビーカーは通るのが大変そうです。

施設はもう限界。3年から4年休園し、しっかりと作り直すことを決意しました。

リニューアル後はどのようになるのでしょうか。イメージ図を少しだけ見せてもらいました。

現在構想中の新ヤクシマザルエリアのイメージ。サルが見やすいように、見物する場所を広くつくる予定です。

たき火もちゃんと残っています。

日本モンキーセンター・綿貫宏史朗さん:「犬山のヤクシマザル独自の文化ということで、これから先も何らかの形で維持していきたいと思っています」

水野礼子さんがモンキーセンターの学芸員になったのは、60年前のこと。

退職した今でも、定期的に園に通う“レジェンド”で、園の歴史のほとんどを知っています。

元学芸員・水野礼子さん:「大きなイベントで話題を呼んだのはキンシコウ。中国で山奥に生息しているサルなんですけど」

さかのぼること、41年前。西遊記に出てくる孫悟空のモデルともいわれているのが中国のサル・キンシコウです。

中国の動物園から友好の証として、初めて日本に来ましたが、展示期間はなんと110日間。

元学芸員・水野礼子さん:「さすがにあのときは入園者がすごく多かったですね」

そのほか森の賢者の異名を持つオランウータンや、国内最後の一頭で、器用な尻尾が特徴のペルークロクモザルなど、数多くの動物を飼育。最大で94種類もの霊長類が同時に暮らしていました。

中でも水野さんのお気に入りは…。

元学芸員・水野礼子さん:「もうほんとにスタイルがいい。背中がピシーと決まっていて、この立ち姿がほれぼれして。こんなステキなゴリラが世の中にいたのかしらと」

ニシゴリラのタロウです。

スッと伸びた背中とピンと張った腕。勇ましいその歩き姿は、まさに元祖イケメンゴリラ。

ただ、今はというと…。

元学芸員・水野礼子さん:「横になっちゃっている」

オスのゴリラとしては国内最高齢の53歳になりました。今は寝転んでゆったりしていることが多いそうです。

それでも人気は健在で、連日タロウの周りにはファンが集まります。

元学芸員・水野礼子さん:「さみしさではないけど、時代時代で変わっていくから楽しませてもらっています」

飼育員の坂口真悟さん。赤ちゃんザルの飼育からガイドまでを務める、この道35年の大ベテランです。

タロウ以外にも、高齢なサルが増えているといいます。

飼育員・坂口真悟さん:「顔見るとだいぶしわが増えてきたりとか、みんな年取っていきますよね」

国内で最後の一頭。アンゴラコロブスのポール29歳。一般的にアンゴラコロブスは、20歳を超えると少しずつ衰え出すといいます。

飼育員・坂口真悟さん:「食事が細くなると体力も細くなってくるので。既成概念にとらわれず彼が好きなもの探りながら。多分そっちの方がポールも楽しい」

そして休園前最後の日。朝から行列ができていました。

神奈川県から来た林直弘さん:「ゴリラのタロウさんに会いに来ました。心と心が通じるみたいなのがすごく合ってて」

最終日でも大人気のタロウ。神奈川県から朝一番でやってきた林さんは、最前列でじっくり心を通じ合わせていました。

ニホンザルが大好きな男の子の姿もありました。

男の子:(Qどんなところが好き)「おしり」

サルの前で陣取って筆を走らせる人が…。

画家:「申年には描きに来ている」(Q12年に1回)「そうです」

申年は再来年ですが、休園するということで急きょやってきました。描いていたのはフサオマキザル。

画家:「彼ら動きすぎて時間がかかりました」

午後1時ごろ、朝からタロウを見ていた林さんを発見しました。見ているのは…まだタロウです。

神奈川県から来た林直弘さん:(Qずっといましたか)「タロウさんに合わせて室内に(移動した)」

飼育員・坂口真悟さん:「3年後のガイドとかね、ブランクがあるかな」

ファンに人気の飼育員たちによるガイドも休園前最後。

飼育員・坂口真悟さん:「リーフイーターと呼ばれまして、胃袋が3つある」「僕がちょっとさみしい、人としゃべるのが好きだから」

閉園直前。また林さんを発見。視線の先には…タロウです。

神奈川県から来た林直弘さん:(Qずっとタロウを見ていた)「ずっと一日ここに」

ついに閉園時間です。

(Qあなたにとってモンキーセンターとは)
来園者①:「生きがい」
元学芸員・水野礼子さん:「私の半生。いろんな知恵を与えていただいた大切なところ」
来園者②:「なくてはならない存在。泣くとは思わなかった」

70年間多くの人たちから愛されてきたモンキーセンターです。

[2026.10. 26放送]

【CTV NEWS公式サイト】https://news.ntv.co.jp/n/ctv
【X】https://x.com/CTV_NEWS_NNN
【TikTok】https://www.tiktok.com/@ctv_news
【LINE NEWS】https://line.me/R/ti/p/%40oa-ctvnews
【あなたの真ん中取材班】https://www.ctv.co.jp/interview/
【キャッチ!投稿BOX】https://www.ctv.co.jp/catch/tokobox.html

#ニュース #中京テレビ #CTV

source

Author: 中京テレビNEWS

Leave a Reply